外食店で急速に普及する配膳ロボ、なぜほとんどが中国製なのか
キュービットロボティクスが新事業
キュービットロボティクス(東京都中野区、中野浩也社長)は、中国製ロボットを活用した配膳ソリューションを新事業として育成する。中国製ロボを使うことで初期費用を安価に抑える一方、外食店の客入りや注文状況に合わせて複数台のロボの動きや充電などを管理する。外食企業のほか中小製造業や倉庫業にも売り込む。1―2年以内に売上高に占める比率を5割強に高める考えだ。
これまでキュービットロボは入れ立てのコーヒーを作って提供するカフェロボットに重きを置いてきた。ただカフェロボットはアーム型の協働ロボを使う関係で価格が数千万円し、コロナ禍で売り上げが落ちている外食店からは「高すぎて買えない」といった声が出ていた。
人手不足に悩む外食店では最近配膳ロボが急速に普及しており、ほとんどが中国製。国産や欧州製ロボは価格が500万円近くするのに対し、中国製は定価で約200万円、実勢価格では100万円を切る例もあるなど「安さ」が追い風になっている。
キュービットロボは特定のロボメーカーに左右されず、異なるメーカーのロボも同時に扱える技術に強みを持つ。忙しい店内では店員が注文を取ってロボを呼び寄せるのではなく、ロボを現場に行かせた方が効率が上がる。新型コロナウイルス感染防止対策として、利用客がテーブルに着いたまま精算する店も増えており、販売時点情報管理(POS)レジの情報と連動させれば下膳ロボを直ちにテーブルへ向かわせ、回転率を高められる。
同様の仕組みを、無人搬送車(AGV)が高すぎて買えない中小製造業向けにも展開する。「コロナ禍で相談が激増している」(中野社長)とし、対応を図る。
日刊工業新聞2022年2月23日