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政府が人権侵害排除で企業に指針、国際競争力強化につながるか

政府が人権侵害排除で企業に指針、国際競争力強化につながるか

萩生田光一経済産業相

政府は企業のサプライチェーン(供給網)における人権への取り組みの指針を今夏にも策定する。2月末に有識者会議を設置。海外の基準を参考にし、業種横断で共通する指針の方向性を議論する。中国の新疆ウイグル自治区での人権侵害で米国が中国製品の輸入を規制するなどビジネスにおける人権尊重の関心が高まっている。指針策定で人権への取り組みを海外にアピールし、国内企業の国際競争力の強化につなげる狙いがある。(総合1参照)

経済産業省は2月末にも企業や弁護士、大学教員、人権活動団体など10―20人の有識者が参加する検討会を立ち上げる。外務省や法務省、国土交通省などの関係省庁がオブザーバーとして参加する。経産省が素案を作り、夏にも政府としての指針を公表する。指針の策定に加え、海外の事例を参考に具体事例を示したQ&A集の作成や法整備なども検討する。

米政権が中国・新疆ウイグル自治区での人権侵害に関連し中国製品の輸入規制を強化するなど、ビジネスに関わる人権への関心が高まっている。企業活動における人権への負の影響を調査・対処する「人権デューデリジェンス」の取り組みが各国で進むが、日本では対応が遅れていた。

経産省と外務省は2021年9―10月、国内2800社にサプライチェーンでの人権への取り組み状況のアンケートを実施。そのうち760社が回答し、「指針を作ってほしい」「具体的な取り組み方法が分からない」などの声が寄せられた。こうした企業からの声を受け、国連や経済協力開発機構(OECD)、国際労働機関(ILO)などが示す人権に関する指針と同等の指針の策定を目指す。

萩生田光一経産相は「日本企業にとって予見可能性が高く国際競争力強化につながるよう、分かりやすい指針を作りたい」と述べた。

日刊工業新聞 2022年2月16日

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