アップルウォッチで「防犯」、セコムは若年層を取り込めるか
セコムは家庭向け防犯サービス「セコム・ホームセキュリティ」と、米アップルの腕時計型端末「アップルウオッチ」を連携させるアプリケーション(応用ソフト)を2月1日に提供する。住居の防犯サービスの警戒・解除を端末のタップ操作で行えるなど、UX(ユーザーエクスペリエンス、操作体験)向上を実現する。防犯サービス利用者やアップルウオッチを利用する若年層などを取り込み、家庭向け防犯サービスの新規契約件数で年間3500件の増加を目指す。
セコムはアップルの技術支援を受けて開発してきたアプリを「SECOMカンタービレ」の名称で家庭向け防犯サービスの利用者に無償提供する。同アプリはアップルウオッチやスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」を操作すると、防犯サービスの警戒・解除を操作できる。従来の操作キーを持つ必要がなくなり、外出や帰宅時、起床や就寝時の操作が容易となり利便性が高まる。Qrio(東京都渋谷区)が販売するスマートロック「Qrio Lock」と連携し、スマホを使い玄関ドアの解錠や施錠も可能だ。
また、アップルウオッチで取得した消費カロリーや歩数、睡眠時間、血液中の酸素レベルなど健康関連データを、アイフォーン向け同アプリで「健康レポート」として可視化し健康管理を支援する。
MM総研(東京都港区)によると、スマートウオッチの2021年度国内販売台数は前年度比約31%増の約302万台で、25年度は490万台に拡大が見込まれる。セコムは今後もアップルウオッチなどと連携したサービスを拡充する。防犯サービスの契約を増やし、併せて既存顧客にも利用を促して契約維持率の向上につなげる。
日刊工業新聞2022年2月1日