【メーカー別・世界生産一覧表】完全回復遠い乗用車の世界生産、メーカー担当者たちの声
乗用車メーカー8社がまとめた2021年の生産・販売・輸出実績によると、8社合計の世界生産台数は前年比3・2%増の2355万4886台となり、3年ぶりに前年実績を上回った。新型コロナウイルス感染症拡大前の19年の実績(2780万813台)とは依然、400万台以上の差がある。足元では半導体などの部品不足も続いており、完全回復には遠い状況だ。
国内生産は同4・2%減の739万1194台、国内販売は同3・4%減の402万4889台だった。全8社中、7社が国内の生産・販売で前年実績割れだった。部品不足で相次いだ工場の稼働停止が響いた。
トヨタ自動車は従来より「国内生産300万台」を掲げているが、21年実績は287万7962台だった。ただ生産人員など「コロナ禍でも300万台規模の体制は堅持できた」(トヨタの担当者)という。
海外生産は同7・0%増の1616万3692台。東南アジア地域に主要工場がある三菱自動車やダイハツ工業が同30%以上増えた。
ただ同地域では前年(20年)が新型コロナの影響で生産活動が大きく制限された。その反動増が主要因で現地工場の稼働率など「まだコロナ禍前の水準ではない」(ダイハツの担当者)。
21年12月単月の8社合計の世界生産は前年同月比5・5%減の214万6752台だった。深刻な部品不足で生産が滞った。業界関係者は「しばらく綱渡りの状況が続く」と話す。
日刊工業新聞社2022年1月31日