自動車部品メーカーがCO2排出半減へ、専門組織立ち上げの本気度
小糸製作所が30年度目標を掲げた
小糸製作所は、2030年度に製造時の二酸化炭素(CO2)排出量を13年度比50%削減する目標を掲げた。50年度では同排出量のカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)達成を目指す。2022年1月に生産本部内にCO2排出量の具体的な削減策や設備投資計画などを策定する専門組織を設け、脱炭素に向けた取り組みを本格化する。
小糸製作所は専門組織「カーボンニュートラル推進グループ」を立ち上げる。主力の自動車向けランプなどの製造ではCO2排出量の約7割を、樹脂成形、表面処理、組み立て工程が占める。
成形機を油圧駆動から電動化に切り替えるほか、複数の表面処理工程を統合して効率化することなどにより、エネルギー消費量を抑制する。太陽光発電設備の導入も進めCO2削減につなげる。
同推進グループでは当面、自社の製造時に排出するCO2の削減に注力する。その後は組織の格上げも視野に入れ、削減対象をサプライチェーン(供給網)全体に広げる方針。
完成車メーカーは一次取引先の主要な部品メーカーに対し、CO2排出量の把握や削減を要請している。一部で部品各社の事業活動だけでなく工場や工程別のより細かな排出量や、2次取引先以降の排出量の把握を求める動きもある。同推進グループではこうした車メーカーへの対応も担う予定だ。
小糸製作所は12月に、気候変動が経営に及ぼす影響について情報開示を求める「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に賛同を表明した。事業活動を通じた持続可能な社会の実現に向け、情報開示にも積極的に取り組む。
日刊工業新聞2021年12月29日