理科実験をリモート化する「熱くないガスバーナー」の仕組み
立命館大学の大島登志一教授らは、拡張現実(AR)技術を用い、熱くないガスバーナーの実験セットを開発した。立体投影ディスプレー技術でバーナーの炎を表現する。ガスの流量や空気の流量を調整すると炎の高さや炎の色が変わる。病院内教室で理科の実験を体験する用途などに提案していく。
立体投影技術でバーナーの先端に炎の立体映像を投影する。実際のバーナーを操作してガスの流量を増やせば炎が高くなり、空気の流量を増やせば完全燃焼が進んで炎が青くなる。点火時はガスが多く不完全燃焼で赤い炎が上がり、炎の大きさを調整しながら空気量を増やし完全燃焼にする過程を体験できる。
トーチを使った点火や炎色反応も再現した。ナトリウムの黄色やバリウムの緑など実際にトーチを炎の中に入れると炎の色が変わる。コロナ禍で理科実験ができなくなったため、リモート化できる実験を題材とした。
ガスバーナーのように火器を使える場面は限られるので、コロナ禍後も病院内教室などでのニーズがある。
今後、炎の内炎と外炎、熱などを再現して、より現実に近づける。
日刊工業新聞2021年12月17日