ニュースイッチ

METI

業界初!ファミマ経産省店で稼働する「AI陳列ロボット」の実力

経済産業省にあるファミリーマートでは、ロボットが働いています。担当は飲料の補充。今年の10月から勤務しており、今や欠かせない戦力になっています。

重い飲料の補充は人への負担大

 

飲料を補充するバックヤードの空間は平均5℃。足元から冷える環境です。24時間営業の店舗では、深夜は1人で任されることもあり、バックヤードで飲料の品出しをしていると、タイムリーな接客が難しい場合もあります。(※ファミリーマート経済産業省店は24時間営業ではありません)

ロボットによる自動陳列は業界初

 

このロボットは、「テレイグジスタンス」というベンチャー企業が自社開発。これまで同社は遠隔操作ロボットによる商品陳列ソリューションを展開していましたが、経済産業省で働くロボットは、自分で棚を見に行き品物が減っていたら補充するだけでなく、店舗の売れ筋等を人工知能で解析し、優先的に補充します。24時間、1日約1000本の陳列が可能です。

補充スピードは1本あたり30秒から50秒ですが、一般的な店舗の1日の補充量は700~800本なので、このスピードで充分対応できます。

「ロボフレ」を目指して

「飲料の補充は、寒い空間での重労働なので、このロボットが導入されれば、店舗従業員は助かる。5℃の環境でも補充作業していると汗だくになる人もいて、風邪をひかないか心配でした。飲料の陳列にかけていた時間を他に使えるのでありがたいです」(女性従業員)。

経済産業省は、ロボットを導入しやすい「ロボットフレンドリーな環境(ロボフレ)」の実現に向けた取り組みを進めており、ファミリーマートへの飲料補充ロボットの導入もその一環です。導入環境を整えることで、「ロボットの”一品モノ”化をなくし、導入し易い価格にし市場を拡大させていく」、この構造を作り出すことが「ロボフレ」の狙い。

ファミリーマートに導入された飲料補充ロボットは、特定の業務に特化して長時間実施することが強みなので、人と同等のスピードは必要なく、多くの機能を付けず高価格にならないようにし、横展開可能なものとしています。このように、ロボットが完全に人の代替となる必要はなく、導入し易い価格に抑えていく、ということも「ロボフレ」の考え方です。

編集部のおすすめ