自律型無人潜水機の研究開発、防衛装備庁が民生品と部品共通化する理由

コスト抑え用途も拡大

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IHIの「水中ドローン」

防衛装備庁は研究開発中の自律型無人潜水機(UUV)について、モジュール化するとともに、機器仕様を民生品と共通化する。民間メーカー技術を活用しやすくすると同時に、共通化による量産で単価を下げる狙い。日本の防衛装備品は国内向けがほぼ100%で予算制約もあるため生産台数が少なく、単価が上がりやすい。国内UUVメーカーが少数生産から脱却することでコストダウンにつながるだけでなく「サプライチェーン(供給網)安定化や関連市場拡大効果も期待できる」(装備庁)と見ている。

2022年12月をめどにUUVモジュールの規格基準書を作成し、23年1月以降の公開を計画。規格は技術進歩に合わせて継続的に改訂し、山口県岩国市にある「岩国海洋環境試験評価サテライト」施設の性能評価も反映させる。

UUVは海中に敵が敷設した機雷や障害物を音波で探知する遠隔操作機器。水中・水上監視のほか、有人艦艇と組み合わせることで、防衛能力向上効果が期待できる。艦艇装備研究所は全長約10メートル、直径1・8メートルの円筒状UUVを開発済みで、中央部分を延長して全長15メートル以上にすることで航行可能期間を7日間にアップする改良も研究中。ソナーや深度センサー、速度計などで構成する頭部と推進機や舵装置で構成する尾部以外の中央部をモジュール化し、交換によりいろいろな任務に対応できるようにする。

構成機器に加え、管制用ソフトウエアもモジュール化する。防衛以外に海洋観測調査にも使えるようにし、用途を広げる。民間ベンチャーが新技術や機器を開発した場合も素早く対応できる。

日刊工業新聞2021年12月7日

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