機械の異常検知にもエッジAIを応用。スタートアップが照準
人工知能(AI)開発スタートアップのエイシング(東京都港区)は異常検知アルゴリズム「MSAT++」を開発した。
同アルゴリズムは製造機器などの状態を監視し、メンテナンスが必要な異常を検知する。機械の状態に応じて保全する「予知保全」で活用する。機器メンテナンスの工数削減によるコストダウンを目指す。マイコンなどへの搭載を想定。今後は顧客向けにアルゴリズムをカスタマイズし、製品として売り込む。
同社は少ないメモリー量でも予測を実現するエッジAIに強みを持つ。製造機器によく使われるマイコンやセンサーなど、安価な部材にも搭載できる。また、独自の木構造のアルゴリズムにすることで、逐次学習も実現した。これにより、環境変化や機器の個体差などに対応する。これまでは制御機械などに組み込むことで、工場での歩留まりの向上や生産効率の向上に使ってきた。
今回のアルゴリズムはこの強みを活かしつつ、より異常検知に特化させた。これまで予知保全を行うには、詳細なセンシングやAIが学習するための大がかりなクラウドコンピューティングが必要だった。同社は安価な部材に導入できる点を訴求し、これまでAI導入が進んでいなかった分野の掘り起こしを狙う。
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