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コロナ前の水準に戻った景気DI、特に改善した業界は?

帝国データバンク(TDB)が発表した10月の景気動向調査(全国)は、景気DIが前月比1・6ポイント増の41・5で、2カ月連続で改善した。2020年1月(41・9)以来の水準で、新型コロナウイルス流行前に戻った。緊急事態宣言の全面解除や新規感染者の低位推移で、個人消費が回復した。製造業も、供給制約の影響は続くが回復した。

景気DIは50を境に「良い」か「悪い」か判断する。地域別では3カ月ぶりに全10地域が、規模別では2カ月連続で「大企業」「中小企業」「小規模企業」全てが改善した。

業界別でも、4カ月ぶりに全10業界が改善した。「サービス」は同2・5ポイント増の43・6。内訳では「飲食店」が同12・6ポイント増の27・8で、02年5月の調査開始以降最大の改善幅。宣言解除による通常営業化が寄与した。「旅館・ホテル」も同12・2ポイント増の22・6と大幅改善した。

「小売」は同2・2ポイント増の34・8。「医薬品・日用雑貨品小売」は同11・2ポイント増の45・8で、改善幅は調査開始以降で最大。

「製造」は同1・4ポイント増の42・1。自動車など「輸送用機械・器具製造」は同0・1ポイント増の37・7で、半導体不足の影響を受けた。「機械製造」は同1・0ポイント増の47・2で、半導体製造装置の活況が続く。

TDBは、11月は同1・2ポイント増の42・7と予想する。「半導体不足や原油価格高騰が懸念材料」としつつ、経済活動の正常化により、今後は回復傾向が続くと見込む。

日刊工業新聞2021年11月5日

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