カーナビの生産体制を再編するJVCケンウッドの事情
JVCケンウッドは、カーナビゲーションの国内での供給力強化のため、生産体制を再編する。市販製品、自動車メーカー向け製品ともに生産を子会社のJVCケンウッド長野(長野県伊那市)に全面的に集約する。海外拠点からの移管作業を2022年1月に始める。日本で生産して販売する体制を整え、サプライチェーン(部品供給網)の寸断や米中貿易摩擦といったリスクを軽減する。
国内のアフターマーケット市場に供給する「彩速ナビ」の生産をインドネシアから移管する。また国内で自動車メーカーに供給している製品の生産は中国・上海から移す。JVCケンウッド長野の生産能力は、25年度までに現在の5倍の50万台規模に拡大する計画。組み立てや調整、検査に伴う自動化システムを導入する。投資額は9億円。
JVCケンウッドの宮本昌俊代表取締役専務執行役員は、今回の生産再編について「地産地消体制にすることでカントリーリスクなどに備え、リードタイムも短くする」と説明した。
プロジェクターに関しても22年3月末までにタイから横須賀事業所(神奈川県横須賀市)に生産移管し、事業体質強化を図る。
日刊工業新聞2021年11月4日