骨粗しょう症の予防法開発に道、同志社大などが解明した骨内部の働き

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【左】酸素濃度5%では破骨細胞ができる 【右】同2%では破骨細胞形成が抑制される(同志社大提供)

生体恒常性異常の予測技術確立も

同志社大学大学院生命医科学研究科の西川恵三教授と大阪大学大学院生命機能研究科の石井優教授、京都大学大学院工学研究科の森泰生教授らは低酸素状態で骨を溶かす働きを持つ破骨細胞の形成が抑制され、骨量が増えることを発見した。生体の骨内部の観察で分かった。骨粗しょう症の新たな治療法・予防法開発につながる。生体内の物質量から疾患や生体恒常性異常を予測する技術の確立も期待できる。

近赤外光で生体深部を観察できる「2光子励起顕微鏡」で生きたマウスの骨内部を観察した。骨組織内の酸素濃度を1細胞レベルで取得でき、破骨細胞の酸素濃度が2・3―4・8%で保たれていると判明した。

これを踏まえて培養細胞で破骨細胞の分化を検証し、酸素濃度5%で成熟する破骨細胞が同2%では破骨細胞が形成できないことを突き止めた。実際に低酸素で飼育したマウスで骨量の増加を確かめた。従来、低酸素は破骨細胞形成を促すとされてきたが、極度の低酸素は破骨細胞形成を抑制し、骨量が増えると分かった。

破骨細胞の制御には従来注目されてきた低酸素誘導因子でなく、デオキシリボ核酸(DNA)の炭素原子の化学修飾「メチル化」関連分子が重要だった。メチル化DNAの酸化反応を担う酵素を欠損したマウスは破骨細胞がほぼできなかった。これにより、破骨細胞が脱メチル化機構から酸素を感知する仕組みが明らかになった。

日刊工業新聞2021年10月19日

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