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電動カートは高齢者の健康増進につながるか、ヤマハ発動機が実験へ

ヤマハ発動機は、千葉大学予防医学センターと、低速モビリティーによる移動が高齢者の健康につながるかを検証する共同研究契約を結んだと発表した。高齢者に電動カートでの外出や社会活動参加を促し、健康増進効果や介護予防との関係を明らかにする。10―12月に大阪府河内長野市と千葉県松戸市で実験する。

実験では、4人乗り以上の電動車で公道を時速20キロメートル未満で走るグリーンスローモビリティーを導入する。全地球測位システム(GPS)で高齢者の行動範囲の変化を調べる。また健康などの指標がどう改善したかを検証する。

これまで同社は過疎地での移動や観光目的も含めて約50カ所で実証実験してきた。今回の実験では、さらに踏み込んで健康効果を検証し、関連サービスの実用化に弾みを付けたい考え。

同センターの近藤克則教授は「高齢者の社会参加が健康寿命の延伸につながる実証をしてきたが、移動の足がないことが障害だった」とし、移動手段の確保が健康増進につながることに期待を示した。

日刊工業新聞2021年10月12日

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