再生可能エネ普及の切り札「洋上風力」導入促進へエネ庁が一手

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再生エネ普及に向け注目される洋上風力発電

経済産業省・資源エネルギー庁は、洋上風力発電の導入拡大に向け、発電事業者に任せていた地質調査や地域の利害調整などの負担を軽減する。再エネ海域利用法の運用を見直し、洋上風力発電の設置前に行っていたこれら作業に政府が関与することを検討する。同発電は再生可能エネルギー普及の切り札として位置付けられている。法を柔軟に運用し、民間の負担を減らすことで同発電の導入を促す。

再エネ海域利用法の運用見直しは、洋上風力発電の設置前に行う基礎調査や系統確保などを政府主導で進める「日本版セントラル方式」導入の一環として行う。自然条件や行政・事業者の調査の着手度合いなどを踏まえ、北海道、山形県、岩手県の3海域を対象に実施する。現場海域に観測設備などを設置し、2022年末までをめどに風況や海底地盤、漁業実態などを調べる。

現在、洋上風力発電設置前の初期段階となる基礎調査や系統確保は、事業者が実施している。複数案件が計画されている海域では、別々の事業者が重複した調査を進めるケースもある。基礎調査や系統確保、協議会設置による地元関係者との調整など、段階を踏みながら進める現行の流れについても改善する。

洋上風力発電の導入が進む欧州では、オランダやデンマークなどが政府主導で環境アセスメントや系統接続などの調整を済ませて事業者リスクを低減するセントラル方式を採用している。一方で導入には海上の占有権や周辺環境への影響などの考慮が必要となる。エネ庁では各国の事例を踏まえつつ立地地域の理解を得られる仕組みづくりを進める。

日刊工業新聞2021年7月30日

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洋上風力発電

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