大幅に増えるEV・PHV向け充電器の設置数、日・米・中それぞれの見通し
富士経済(東京都中央区、清口正夫社長)は、2035年に中国、米国、日本の3市場で電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド車(PHV)向け充電器の累計設置数が、20年比4・5倍の341万3830個に拡大するとの予測をまとめた。うち中国は同4・7倍の301万7500個、米国は同4・5倍の34万5750個と4倍を超える伸び率を見込む。一方、日本は同43%増の5万580個と低い伸び率に留まると予想する。
充電器は普通充電器と急速充電器の合計値。充電器1基当たりのコネクター数を集計した。中国の20年の充電器設置数は19年比23%増の累計64万1600個。うち急速充電器の比率は34%だった。中でも充電ステーションの設置が19年比3040カ所増えて累計3万1400カ所に拡大。オフィスビルや公的機関を中心に設置が進む。充電ステーション1カ所当たりのコネクター数は20・4個で、他国と比べ大規模化が進んでいるという。
米国の20年の充電器設置数は同18%増の7万7150個。急速充電器の比率は22%だった。充電ステーションは商業施設の駐車場や高速道路のサービスエリアなどで設置が進み、同915カ所増の累計2万3050カ所に増えた。バイデン米政権の環境施策や停滞していた電動車の販売回復傾向などを追い風に、充電インフラの普及が進むと予測する。
日本の20年の充電器設数は同5%増の3万5435個。急速充電器比率は22%だった。充電ステーションの設置数は19年比265カ所増加した。富士経済では日本は他国と比べEVの販売開始時期が早く、パーキングエリアなど一通りの充電インフラ整備は進んでいると分析。中国や米国は都市部を中心に設置数を増やしている段階で、国土の広さなども考慮すると米中と比べ日本の伸び率は小さくなると予想している。