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大腸がんを1分で測定。慶応大が開発した高精度技術の実力

慶応義塾大学先端生命科学研究所の曽我朋義教授らの研究グループは、唾液中の低分子がんマーカー(目印)を高速・大規模に測定する技術を開発した。一度に多くのサンプルを測定できる新しい分離・分析技術で、40検体の唾液を40分で測定することに成功した。1検体につきわずか1分で測定できる。東京医科大学の杉本昌弘教授らが採取した唾液検体にこの測定手法を応用したところ、大腸がん患者と非がん患者を8割以上の高精度で区別できた。低分子がんマーカーの臨床応用が期待される。

大腸がんなどのがん患者の唾液や尿から、唾液中の低分子がんマーカーであるポリアミン類が検出されることは知られている。だが、既存の方法では1検体当たり10分以上の測定時間が必要だった。

研究グループは細長い中空管に40検体の唾液を数珠つなぎに導入し、一度に電圧をかけて質量分析計で一斉に測定する新技術を開発した。健常者57人、大腸に良性ポリープを持つ患者26人、大腸がん患者276人から採取した東京医大の唾液検体を測定したところ、大腸がん患者を83・4%の精度で非がん患者と区別できた。

日刊工業新聞2021年7月6日

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