身体を動かしてオンラインで対戦する「フィジカルeスポーツ」って?
KINIX(キニックス、東京都港区、フェリペ・グアリン最高経営責任者〈CEO〉)は、自転車をこいでリモート対戦する陣取りゲーム「スピリットオーバーフロー」を開発した。実際に身体を動かして、オンラインで対戦するフィジカルeスポーツとして提案する。9月にもアルファ版を提供。ドイツの大学研究者などと新分野を開拓していく。
スマートフォンとスマートロータリーエンコーダーで自転車の動きを計測する。スマホでハンドル操作、ロータリーエンコーダーでタイヤの回転速度や負荷を調整する。EC(電子商取引)サイトでそろう機器でゲーム環境を構成した。
スピリットオーバーフローは線引き陣取りゲームの一種で、3対3で対戦する。バーチャルな対戦ステージをバイクで走り回り、走行軌跡が一周完結すると内側のエリアを獲得。エリア確定前に軌跡を踏まれるとダメージを受けるゲームシステム。チーム戦で面積を競う。心拍などの生体情報を計測してタイヤの負荷を調整したり、必殺技を発動させたりする。
ゲーム自体は無料で展開し、プレーヤーの間口を広げる。ゲーム内広告とゲーム内コスチュームの販売などで収益化を図る方針。
コロナ禍で運動の機会が減り、自宅でエクササイズを始める人が増えている。だが面白くないと続かない。エクササイズ目的でなく、ゲーム目的で運動を促すことにした。
同社は、慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科の卒業生らが設立したベンチャー。
日刊工業新聞2021年6月29日