他の空港のモデルケースになる!関西エアポートが進む温室効果ガス排出ゼロへの道

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伊丹空港に設置された「インバータターボ冷凍機」

脱炭素へ空港にBEMS導入

関西エアポート(大阪府泉佐野市、山谷佳之社長)は、3月に「2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする」と宣言した。22年度までにビルエネルギー管理システム(BEMS)を大阪国際空港(伊丹空港)と神戸空港に導入する予定で、エネルギー使用量の可視化や分析に力を入れ、エネルギー効率の最適化を図る。

先行してBEMSを導入していた関西国際空港では、二酸化炭素(CO2)濃度や電気使用量などを計測するメーターを約1万台設置しており、各データを1時間ごとに取り入れ、中央監視室で常時監視、管理している。

それらデータを分析し、優先度の高い課題を抽出、現場に落とし込み、実行に移す流れだ。18年度から約2年間、関空のターミナル1を中心に最もエネルギー消費が大きいとされる空調機器に関して機器の更新などを実施し、電気使用量を17年度比1・6%削減した。

伊丹空港の水素ステーション

同社は18年度に22年度までの活動目標「Oneエコエアポート計画」を策定。環境推進委員会の指揮系統の下、大規模なソーラーパネルの設置やコージェネレーション(熱電併給)設備の導入など積極的に推進してきた。

その結果、エネルギー使用量や上水使用量、CO2排出量の削減目標は期間を待たずして達成している。「データを取得するだけではなくいかに現場の行動につなげるかを重要視してきた」(技術統括部の平田勝巳調査役)と語る。

また、岩谷産業と共同で水素の利活用にも積極的に取り組む。関空と伊丹空港には燃料電池自動車(FCV)用の水素ステーションが設置され、関空の国際貨物地区では、22台の燃料電池フォークリフトを稼働する。国内でも先進的な取り組みだ。

「他の空港のモデルケースになることを目指している」(同部の伊藤利加リーダー)とし、水素エネルギーの国内への普及にも貢献する狙い。今後関空と伊丹空港を燃料電池バスでつなぐことも構想している。

同社は中長期の目標として、30年度までにCO2排出量を16年度比約30%減を掲げる。目標達成に向け、自治体や企業との連携も強化していく方針だ。

日刊工業新聞2021年6月24日

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