卒業後も長く支援する大阪大学のデータ活用構想
大阪大学は学生の卒業後の長期的な社会での活躍を支援する「スチューデント・ライフサイクル・マネジメント」の仕組みづくりを始めた。従来の在学中の進路指導に留まらない支援を行う。授業支援システム(CLE)や情報解析システムを活用。成績など授業に関わるデータに加え、進路や卒業後のキャリアパス、入学前の情報など多様なデータを蓄積する。10―30年後の将来を考慮した進路選択に向けた材料を提供していく。
阪大は授業をIT面から支援するため、2013年にCLEの運用を開始。オンライン授業や資料の配布、課題提出、成績の管理などに活用してきた。ここに入学前や卒業後のデータを蓄積し、学生の興味・関心や得意分野に応じた進路指導に活用する。
過去の事例を参考に、個人に合わせた進路指導ができるようになる。
長期的な目標を踏まえ、企業とのマッチングの精度向上も期待される。
今後、学生の就職先企業の協力を得て、卒業生の状況を把握し、キャリア支援にも対応する構想を掲げる。また、卒業生が生涯学習で大学を利用しやすい環境も整える。
具体的な相談や指導は職員が対面で対応する。その際の補助になるようにデータを活用する方針だ。
日刊工業新聞2021年6月3日