旭化成、車内装材“EVシフト”推進の道筋

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人工皮革「ラムース」

旭化成は、スエード調人工皮革「ラムース」やエンジニアリングプラスチックで、電気自動車(EV)の需要増に対応した戦略を推し進める。中国に人工皮革の染色加工・販売体制を整えて現地EVなどへ採用拡大を目指すほか、より環境性能に優れた新製品をグローバル市場へ投入する。電池などEV特有の部品以外も、環境性能や電気特性といったニーズ変化を捉え、“EVシフト”を推進する。(梶原洵子)

既存施設を活用

旭化成子会社で自動車用シート材大手の米セージ・オートモーティブ・インテリアズと連携し、ラムース事業の中国展開を加速する。既存施設を活用し、2021年度中に現地で染色加工・販売の体制を整える。特段の投資は行わない。同製品は環境負荷の低さが評価され、欧米などで販売が好調。22年に日本で計画する設備増設を前に、中国市場での採用拡大に本腰を入れ、更なる事業拡大を進める方針。

環境意識の高まりを受け、EV中心に自動車への環境配慮素材の採用が増えている。ラムースは、環境負荷の低い製造プロセスやリサイクル原料の使用の点で環境性能に優れ、中国EV市場でも商機があると判断した。

競争力高める

22年度には、現在開発中のリサイクル原料の使用比率の高い新グレードを発売し、商品の競争力も高める。

ザイロンを使用したバッテリーケース

足元でラムースはフル生産となっており、22年に宮崎県延岡市で年産約400万平方メートルの設備を稼働させ、生産能力を同1400万平方メートルに引き上げる計画だ。

エンプラはEV化に伴う部品設計の変化に対応するため、大学や外部のエンジニアリング会社と連携し、加工方法を含めた提案力を強化する。

これまでの素材売りからソリューション型へ売り方を転換し、EVでの新たな用途を発掘する。

ギア向け開拓

変性ポリフェニレンエーテル樹脂「ザイロン」は電気特性を生かして電池用ケースに採用されているほか、ポリアセタール樹脂「テナック」はギア向け需要増加が見込まれる。ナイロン樹脂「レオナ」は現在エンジン周辺の耐熱部品への採用が多く、EV部品での需要発掘を急ぐ。

日刊工業新聞2021年6月3日

キーワード
旭化成 EV 電気自動車

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