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「会社へは 来るなと上司 行けと妻」サラリーマン川柳にコロナ影響色濃く

「会社へは 来るなと上司 行けと妻」―。第一生命保険による「第34回サラリーマン川柳コンクール」でグランプリを獲得した句だ。2020年9月から10月にかけて寄せられた約6万2000句から一般の投票で選ばれた。

世相、流行、サラリーマンの悲哀を扱って人気の通称「サラ川」。コロナ禍の影響で、応募作品の約8割がコロナに関係したものだった。それだけにグランプリ作品だけでなく、2位「十万円 見る事もなく 妻のもの」と3位「リモートで 便利な言葉 “聞こえません!”」の作品もコロナがらみだった。

4位と5位は話題となったアニメや人気女性グループに関係したもので、「嫁の呼吸 五感で感じろ! 全集中!!」や「じいちゃんに J・Y・Parkの 場所聞かれ」が続いた。

6位から10位のうちの3句もマスクや密を扱っており、コロナ関連といえる。小欄のお気に入り「出勤が 運動だったと 気付く腹」は37位に終わった。

秋には第35回コンクールの作品募集が始まる。ここでも残念ながら「緊急事態」や「人流」などコロナ禍に関連した句が多くなるものと予想される。川柳にも早くポスト・コロナの時代が訪れることを祈りたい。

日刊工業新聞2021年5月28日

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