工作機械の4月受注実績は前年比2倍強に。リスク高まる部品・部材の需給逼迫

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ツガミの長岡工場

日本工作機械工業会(日工会)が発表した4月の工作機械受注実績(確報値)は、前年同月比2・2倍の1239億7400万円で、6カ月連続の増加となった。外需を中心に回復傾向が続き、2カ月連続で1200億円を上回った。日工会では「回復の勢いに濃淡はあるものの、内外需ともに設備投資に前向きな動きが広がっている」と捉えている。

外需は6カ月連続増加で、850億円を上回るのは2カ月連続。前の年は新型コロナウイルス感染症拡大に伴う受注急減期に当たることから、前年同月比は2カ月連続で2倍以上の増加率となった。

国・地域別ではアジア、欧州、北米の主要3極で増加し、中国以外の国・地域でも幅広い業種で回復が鮮明になってきている。中国は2カ月連続の350億円超えで、単月では過去2番目の高水準。自動車部品や建設機械、パソコンなど幅広い業種で設備投資の活況が続いている。

欧州はドイツ、イタリアともに増加傾向を維持し、全体として2カ月連続の140億円超え。北米は2カ月ぶりに200億円を割り込んだが、3カ月連続の増加で全体的な回復傾向には変化がないとみられる。

内需は2カ月連続の増加で、350億円を上回るのも2カ月連続。前月比では期末効果がなくなり10・9%減と3カ月ぶりの減少となったが、減少率は19年4月の19・3%減、20年4月の38・2%減に比べて小幅にとどまっており、緩やかながらも回復基調が続いている。

工作機械需要は、コロナ禍で凍結されていたペントアップ需要(繰り越し需要)のほか、半導体製造装置関連投資の拡大や自動化ニーズなど好材料が多い。「当面は受注水準の安定推移または、さらなる増加が見込まれる」(日工会)状況だ。

一方、半導体など部品・部材の需給は逼迫(ひっぱく)感が強まっており、長期化が懸念される。工作機械メーカーにとっても、部品調達の遅れが海外需要の取りこぼしにつながりかねず、企業の調達力が一層問われる可能性もある。


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日刊工業新聞2021年5月26日

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日本工作機械工業会

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