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買い物「現金利用」半年で80%から39%へ、コロナ禍で進むキャシュレス化

コロナ禍前と後で消費者の行動はどう変わったか―。KPMGコンサルティング(東京都千代田区、宮原正弘社長)は27日、世界16カ国・1万8657人を対象とした消費者行動調査の日本版を発表した。コロナ禍前とコロナ禍中の動向を探るため、2020年2月と8月に調査した。

これによると、20年2月のコロナ禍拡大直前の調査では、買い物の決済方法として80%が「現金」を選択していたが、コロナ禍中の同8月では39%となり、わずか半年の間に半分以上の消費者が決済方法として現金をやめ、クレジットカードやモバイル決済などキャッシュレス決済に移行した。コロナ禍でメーンの買い物手段はリアル店舗からオンラインへと移行している。

また、コロナ禍前と後の変化として「支出よりも貯蓄に重点を置いている消費者の割合」がグローバルの49%に対し、日本は27%と、消費意欲の高さが確認できた。

従来、日本では対面での“おもてなし”サービスが高く評価され、グローバルと比べてオンラインサービスの発展が遅れていた。だが、ウィズ・コロナとなり、想定よりも早くキャッシュレス決済の時代が到来した。

KPMGコンサルティングの古谷公パートナーは「オフラインを重視してきた日本企業もデジタル変革(DX)を進めなければ消費者からも選ばれなくなる」と指摘。ただ、「日本の消費者は個人情報の安全性を重視し、個人の嗜好(しこう)を踏まえたカスタマイズを望まない層も少なくないことに留意する必要がある」と分析している。

日刊工業新聞2021年4月28日

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