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22億円で本社工場を改革!月星製作所が目指すモノづくりの将来像

22億円で本社工場を改革!月星製作所が目指すモノづくりの将来像

月星製作所公式サイトより

月星製作所(石川県加賀市、打本渉社長)が、本社工場の改革を進めている。約22億円を投じて敷地内に生産・洗浄工場、配送センターを新設し、物流動線の約40%削減と30%の生産性向上を目指す。また教育活動「月星MOT(技術経営)」を実施し、人間力向上と技術力向上にも余念がない。松浦清二取締役上席執行役員製造部/生産管理部管掌に取り組みについて聞いた。(饒波正紀)

―生産・洗浄工場などを増設する目的は。

「現在、本社工場の敷地内には鋲(びょう)螺工場、材料管理棟など大小18の建屋があり、仕掛品や完成品を運ぶのにフォークリフトが錯綜(さくそう)するように動いている。そこで工場と工場の間に屋根付きのアーケードを設けるほか、生産・洗浄工場と配送センターを隣接する形にし、生産性の向上と物流の効率化を図る。2022年4月の本格稼働までに生産管理システムの強化や間接部門のデジタル化も進める」

―省エネなど現場の環境改善にも精力的です。

「20年度から環境活動を行っている。具体的には生産工場内のエア漏れ調査と、その是正活動だ。騒音対策にも気を使っている。設備に防音カバーを取り付けたほか、次の工程に仕掛品を供給するパーツフィーダーもスウェーデン・シルベント社製エアノズルなどを導入し低騒音化した。例えば切粉の吹き飛ばし音は10デシベルから20デシベルに抑えた」

―月星MOTでの人材教育は。

「『月星道場』などいくつかの研修カリキュラムを設けている。四画面思考による人間力向上と技術力の向上が狙いで、北陸先端科学技術大学院大学の教授陣が講師となっており、改革実践論、BツーB(企業間)マーケティング、イノベーションデザインなどについて学べる。人材改革や業務改革などにつなげている」

―「デジタル会」と呼ぶ取り組みも始めました。

「製造部をスマート工場にする目的で立ち上げた。IoT(モノのインターネット)を積極的に導入して、可動率向上のための改善活動を行っている。まずは遠隔モニタリング装置や改善カメラを設置して可動率をアップさせることを目標に取り組んでいる」

日刊工業新聞2021年4月20日

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