中国のEV販売勢い止まらず。3月は前年比3.5倍に 

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トヨタとSUBARUの共同開発EV「トヨタbZ4X」のコンセプト車

自動車需要が堅調な中国で、電動車の販売が拡大している。中国汽車工業協会によると3月の同国新車販売台数は前年同月比74・9%増の約253万台。うち電気自動車(EV)は同約3・5倍の19万台だった。上海市で28日まで開かれている自動車展示会では各社がこぞって電動車を出展。自動運転など先進技術も搭載して、新たな需要の取り込みを図っている。

日系自動車メーカー6社の3月の中国新車販売は同86・6%増の約47万台と、11カ月連続で増加した。メーカー別ではトヨタ自動車が同63・7%増と、単月として12カ月連続で過去最高を更新した。新型コロナウイルスの感染者が多かった湖北省武漢市に生産拠点があるホンダは、20年3月も感染影響が続いていた反動増もあり、同2・5倍と好調に推移。3月単月として過去最高となり、うちハイブリッド車(HV)の比率は14%だった。

同工業協会よると3月の中国全体の乗用車の販売は同77・4%増の約187万台だった。調査会社のマークラインズによると1―3月期の乗用車の累計販売は19年同期と比べ減少。減少幅は1―2月期より拡大しており、半導体不足が関連している可能性があるとしている。EVなど新エネルギー車の3月の販売は前年同月比約3・4倍の約23万台と過去最高を記録。そのうちプラグインハイブリッド車(PHV)は約4万台だった。

自動車展示会「上海モーターショー」ではトヨタやホンダがEVの新型車や試作車を初めて公開。日産自動車は独自技術「eパワー」を搭載したHVを近く同国に初導入し、25年までに同HV6車種を投入する方針を示した。独フォルクスワーゲン(VW)といった欧米勢も相次ぎEVを発表した。

一方、中国のインターネット検索最大手の百度(バイドゥ)や華為技術(ファーウェイ)などが自動運転技術を搭載したEVを開発するなど新規参入も目立っており、成長需要を取り込もうと競争が激化している。

日系メーカー、電動化シフト推進

19日開幕した「上海モーターショー」で、トヨタ自動車は電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)などの電動車を、グローバルで2025年までに20年末比約1・3倍の70車種程度投入すると発表した。そのうちEVは、同2・5倍の15車種を投入する。ホンダは中国で初の自社ブランドEVを投入すると発表。日産自動車も独自システムを採用したHVを投入する。各社は電動化が急速に進む中国の攻略を急ぐ。

トヨタは全方位で電動車ラインアップを拡充しつつ、EVでも攻勢をかける姿勢を鮮明にする。上海モーターショーではSUBARUと共同開発したEV専用プラットフォーム(車台)「e―TNGA」を採用したEVの新シリーズ「トヨタbZ(ビー・ズィー)」を発表。

まずは両社で開発した中型スポーツ多目的車(SUV)「トヨタbZ4X(フォー・エックス)」を22年半ばまでに順次グローバル発売する。前田昌彦執行役員は「電動化が世界に類を見ないスピードで進む中国を皮切りに披露する」とアピールした。同シリーズではダイハツ工業やスズキ、中国・比亜迪(BYD)とも共同開発してラインアップを拡充し、25年までに7車種を投入する計画だ。

日産は25年までに中国で、発電専用エンジンと駆動用モーターを組み合わせた独自システム「eパワー」を搭載したHVを6車種投入する。第1弾のeパワー搭載車を、同社中国での最量販セダン「シルフィ」に設定して近く発売する。アシュワニ・グプタ日産最高執行責任者(COO)はビデオメッセージでeパワーは「ゲームチェンジャーになり得る」と期待を示し、電動化など先進技術を積極展開する意向を明らかにした。

ホンダは中国初となる「ホンダ」ブランドでのEV試作モデル「ホンダSUVイープロトタイプ」を初公開した。中国で5年以内に、10車種のホンダブランドのEVを投入する。第1弾として、同モデルをベースとした量産車を22年春に発売する予定だ。同時にプラグインハイブリッド車(PHV)の新モデルも発表した。合弁会社の広汽ホンダ初のPHVで、21年後半に中国で発売する。


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日刊工業新聞2021年4月20日/22日

キーワード
中国 EV

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