半導体不足でUDトラックスが計10日間減産へ、商用車メーカーでは初
UDトラックスは世界的な半導体不足の影響で4―5月にトラックを減産する。上尾工場(埼玉県上尾市)で計約10日間、稼働を停止する。ルネサスエレクトロニクスであった半導体工場の火災は関連がないという。半導体不足が原因で国内主要トラックメーカーが減産するのは今回が初めて。乗用車各社で生産調整が広がるなか、トラックメーカーにも影響を及ぼし始めた。
主力の大型トラック「クオン」などを生産する上尾工場が対象。減産台数は明らかにしていない。同工場の2020年度生産台数は9174台だった。タイの工場でも減産する。
トラック業界関係者がまとめた資料によると、UDの20年度の普通トラック(積載量4トン以上の大型と中型トラック)の国内販売台数は9666台。シェアは11・3%で4位。UDはスウェーデンのボルボ・グループ傘下だったが、4月にいすゞ自動車に買収された。いすゞ、日野自動車、三菱ふそうトラック・バスは現時点で半導体不足による減産影響は受けていないという。
深刻な半導体不足で国内外の自動車メーカーが生産調整に乗り出している。米国の寒波被害で半導体メーカーの現地工場が操業停止したこともあり、供給不足に拍車がかかっている。
国内メーカーでは三菱自動車が3月に4000台を減産したほか、4月は国内とタイの工場で7500台減産する。SUBARU(スバル)は群馬製作所矢島工場(群馬県太田市)で生産調整し、約1万台の減産を予定する。スズキも4月に国内の一部工場で生産調整した。
日刊工業新聞2021年4月15日