日本ファンドが東芝買収案検討へ、2年後に再上場目指す

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再登板した綱川智社長(写真は17年)

政府系ファンドの産業革新投資機構(JIC)や農林中央金庫などが参画する日本主導のファンド連合が東芝へ買収提案する方向で検討に入った。TOB(株式公開買い付け)を通じて非公開化し、機構・風土改革を迅速に行う。非公開化は暫定措置とし、2年後の再上場を目指す。政府は原子力や半導体事業の売却制限を条件に買収を認める方針。海外ファンドも買収に名乗りを上げており、名門企業をめぐる争奪戦は激しさを増す。

JICなどのファンド連合が東芝の非公開化に向けて買収提案の検討を始めた。参加企業はさらに増えそうで、別途6日に買収の初期提案を出した英国投資会社のCVCキャピタル・パートナーズが合流する可能性もある。ただ、日本勢が主導権を握る構図は変えない。

CVCが買収に動いて以降、政府は原子力や、NAND型フラッシュメモリー世界大手のキオクシアホールディングス(旧東芝メモリホールディングス)の保有株式を含む半導体事業の行方を懸念してきた。今後は外為法の事前審査などを通じて、海外投資家への関連事業の売却禁止を求めるとみられる。

東芝の株式を保有する一部のアクティビスト(物言う株主)は、日本主導の非公開化に賛同しているもよう。今後は株主全体の約3割を占めると言われるアクティビスト全体に理解が広がるか注目される。一方、海外では米国ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)なども東芝買収を検討していると報じられた。東芝争奪戦は企業価値の算定が焦点となりそうだ。

東芝の時価総額は14日時点で約2兆2000億円。政府が買収に際して特定事業に売却制限をかけるとなると、キオクシア株の売却益などを織り込んだ企業価値が下がる可能性がある。


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日刊工業新聞2021年4月15日

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