トヨタが「カローラ」のSUVを日本でも生産・販売へ、2000ccエンジンやHVも投入
8月めどに高岡工場で月7000台
トヨタ自動車は現在タイで生産・販売している小型スポーツ多目的車(SUV)「カローラクロス」の生産を、高岡工場(愛知県豊田市)でも始める。8月頃に生産を立ち上げ、当初月産台数は7000台程度とみられる。国内販売のほか、2022年には欧州や豪州への輸出を検討。主力車種のSUV投入により国内販売を一段と強化すると同時に、モノづくり力の基盤と位置付ける国内生産台数の維持につなげる。
ガソリンエンジン車とハイブリッド車(HV)の2モデルを国内生産、販売する予定。ガソリンエンジン車ではまずタイで展開している排気量1800ccエンジン搭載車を日本市場に投入する見通し。22年には新設計手法のトヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー(TNGA)を採用した同2000ccエンジン搭載モデルの導入も計画している。
世界的に知名度の高い主力車種「カローラ」で初のSUVとなるカローラクロスは、20年7月にタイで発売。その後、インドネシアやベトナム、フィリピンなど、東南アジアを中心に販売地域を広げている。
デザインや走行性、運転のしやすさなどからSUVは人気が高まっている。日本自動車販売協会連合会によれば、17年以降の国内市場は乗用車全体では販売台数が減少傾向にあるのに対し、SUVは右肩上がりだ。20年の販売台数は17年比38・4%増の約63万台に成長した。
トヨタは19年に中型SUV「RAV4」を、20年に小型SUV「ヤリスクロス」を投入するなどSUVのラインアップ拡充を加速しており、堅調な販売を支える要因となっている。高岡工場はこれまでカローラなどセダンの生産が中心だったが現在はRAV4なども生産している。カローラクロスの投入で雇用や技術の維持に必要な「国内生産300万台体制」を守る構えだ。
日刊工業新聞2021年4月13日