自宅からアバターで本社会議に参加、三菱地所が遠隔操作ロボット活用に挑む
三菱地所は本社(東京都千代田区)に遠隔操作ロボットを設置、活用法を探る実証実験を始めた。コロナ禍でリモートワークが広がる中、自宅からアバター(分身ロボット)として本社の会議に参加したり、地方の開発物件を人の代わりに内見したりする活用法を想定。社員から高評価を得れば、実導入を検討する。ロボットの活用で離れた場所にいる人同士の心理的な距離を縮め、コミュニケーションの活性化につながるかを検証する。
本社4階のビル部門に設置し、複数の社員で利用して効果を探る。期間は16日までの2週間を予定。米国ベンチャーの遠隔操作ロボット「temi(テミ)」を使用する。
同ロボットは高さ100センチメートルと小学生ほどの大きさで、上部に10・1インチのタッチパネルディスプレーが付いている。ウェブ会議の際にはディスプレーに社員の顔を表示し、あたかもその場にいるように会話できるという。三菱地所では「実際に使用し、通常のウェブ会議よりも会話が弾むか試したい」(DX推進部の渋谷一太郎統括)とする。
またコロナ禍で地方出張が制限される中、ロボットを地方の開発中の物件に送り、遠隔操作で走らせながら内見して監視カメラなどの取り付け位置を決めるといった活用法も想定する。
三菱地所はネットだけで販売しているアパレルブランドに期間限定でリアルの試着・購入の場を提供する実証実験を行うなど、バーチャルとリアルを掛け合わせたデジタル変革(DX)を推進中。ロボット活用もDXの一環となる。
日刊工業新聞2021年4月8日