東工大発ベンチャー、「はかる」技術でマッチングサービス
東京工業大学発ベンチャーの委託ナビ(東京都大田区、川口卓志最高経営責任者〈CEO〉)は、計測や分析、解析、試験などさまざまな「はかる」技術を持つ企業がオンラインで新規顧客を開拓しやすくするサービスを1日に開始する。エンジニアリングやバイオテクノロジーなどテック系企業の研究開発部門と、アウトソーシング(業務委託)に関する商談ができる企業マッチングサイトを開設、3年で1万社の登録を目指す。
新サービスは社名と同名の「委託ナビ」(特許出願済み)。登録する企業や大学、商社に何をどう測り開発できるのか、どんなデータを提供できるのかなどを納期や価格の目安とともに書き込んでもらう。利用するテック系企業は求める技術やキーワードを検索して探せる。興味のある企業には直接、質問や見積もり依頼ができる。
利用企業の課題や希望を委託ナビが聞き、必要な技術を持つ企業と引き合わせることも行う。「創業メンバー5人のうち3人が博士号取得者のため、専門性の高い内容にも対応可能だ」(川口CEO)という。
1日時点で約80社、500の要素技術が登録している。委託ナビの収益源は登録料(初年度のみ中小企業2万円、大企業5万円、2年目以降は無料)。今後は検索ワードの履歴から、どの技術がどんなユーザーや地域で興味を持たれているかなどの情報を登録企業に販売する考え。登録企業は情報を営業や戦略立案の参考にできる。「テック系アウトソーシングのプラットフォームとして、アマゾン・ドット・コムのような存在を目指す」(川口CEO)としている。
日刊工業新聞2021年4月1日