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日野自の子会社がトラック荷役作業の自動化実験、物流の人手不足解消へ

日野自の子会社がトラック荷役作業の自動化実験、物流の人手不足解消へ

全長25m級のダブル連結トラックで実証実験を行う

日野自動車の子会社ネクスト・ロジスティクス・ジャパン(NLJ、東京都新宿区、梅村幸生社長)は、2021年中にもトラックの荷役作業の自動化実験を始める。協業する物流会社などの知見を活用し、無人搬送フォークリフト(AGF)など自動化機器の効率的な運用を検討して実用化につなげる。物流業界では人手不足が深刻化しており、持続的な物流システムの構築に向けたソリューション提供を目指す。

幹線輸送と支線輸送の荷物の積み替え拠点「クロスドック」での、荷役作業の自動化を実験する。AGFや無人搬送車(AGV)を活用して効率的で安全な作業の方法を検討する。専門的な知見を有する企業と連携する。

荷役の自動化には正確なデータに基づいた運用が欠かせない。例えばトラックから荷物を下ろす過程で、車両全体が軽くなり荷室の位置が上がる。AGFのフォーク部分をパレットに差し込むには、そういった変化の情報を捉える必要がある。

データ収集の方策や施設内の配置などを研究して、荷役の自動化を実験段階から実用段階に引き上げていく。

物流課題の解決のために設立されたNLJは協業企業と19年末から、全長25メートル級のダブル連結トラックを使い、相模原市と兵庫県西宮市間の効率的な幹線輸送システムの実証実験を行っている。運送事業者や物流システム開発企業、アサヒグループホールディングスや江崎グリコといった荷主企業など現在、15社と協業している。

日刊工業新聞2020年3月22日

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