ドローンベンチャー各社が優秀な人材確保を維持したい!積極採用続く
飛行ロボット(ドローン)ベンチャー各社が、高水準の人材採用を維持する。自律制御システム研究所は2021年度にエンジニアを中心に前年度と同水準の20人の採用を目指す。同社の社員数は68人で、これまで年5―10人の採用だった。ブルーイノベーション(東京都文京区)、エアロセンス(同)の2社も21年度採用で、採用を増やした20年度のレベルを維持する。規制緩和で22年度をめどに目視外飛行が可能となり、ドローンの市場拡大が見込まれる。各社は積極採用でチャンスに備える。
21年度採用でブルーイノベーションは10人、エアロセンスは5人程度を計画する。両社とも19年度以前は数人の採用だった。ブルーイノベーションの担当者は「ドローンの社会実装に向けた取り組みが20年から認知され始めており、優秀な人材を獲得するチャンスととらえている」と説明。エアロセンスの担当者は「今までは機体開発や研究が中心だったのが、事業拡大に伴い営業・マーケティング人材も必要になっている」と話す。
各社が強気の人材採用に動く背景には、新型コロナウイルス感染拡大の影響もある。世界各国の旅行が制限され、航空機需要が激減。米ボーイングや欧州エアバスに加え、国内重工大手が関連部門の縮小に動く中で「好きな“飛行機”をやりたいと転職を考える中堅エンジニアが増えている」(自律制御システム研究所)。
海外から問い合わせを寄せるエンジニアも多いという。「フランスやインド、シンガポール、オランダなどの出身者を採用している。人材紹介会社への依頼のほか、海外の大学や社員の知り合いを通じた採用を拡大したい」(同)とする。
日刊工業新聞2020年3月17日