協働ロボット「ビーナス2」開発のベンチャー、軽量樹脂製で拡販狙う
豆蔵(東京都新宿区、中原徹也社長、03・5339・2114)は、2024年3月期までにロボット事業の売上高を現状比2倍超の13億円に引き上げる。金属製だけでなく樹脂製ロボットの開発に事業領域を広げる。1月に三井化学や日本電産シンポ(京都府長岡京市)と連携し、樹脂素材を筐体のメーンにした協働ロボット「ビーナス2」を開発した。同協働ロボット開発の取り組みを通じて得た知見を横展開する。
豆蔵はロボットの製造・販売ではなく、開発の知見をメーカーやユーザーに提供する「ロボットシステム開発支援サービス」を展開する。工場などの現場を自動化するシステムインテグレーションも手がける。
ロボットに樹脂素材を部分的に活用することはあるが、大半は金属製。樹脂は精度や剛性に課題がある。同社は樹脂製の知見を蓄積し、新たなロボットの開発につなげる考え。高精度が要求される工業用分野だけでなく、軽量な樹脂の特性を生かしてロボットの活用領域を拡大する。
ビーナス2は樹脂製の外骨格が特徴で、7軸を備える。豆蔵は設計やロボットコントローラー、三井化学は樹脂、日本電産シンポは減速機を手がけた。アームの大部分を樹脂化し、金属製に比べ重量を半減。トルクセンサーを使わずモーター電流値でアームに加わる力を検出する技術も実現した。今後、ロボットの関節の構成要素であるモーター、エンコーダー、ドライバー、減速機、トルクセンサーを減らす取り組みを3社で進める。減速機の樹脂化も検討する。
日刊工業新聞2020年3月15日