SiC製のパワー半導体の普及へ官民連携!革新的なウエハー製造技術の早期確立へ

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産業技術総合研究所は9日、昭和電工などのウエハー(基板)メーカーを含む17社や公的機関3機関と連携し、次世代パワー半導体用の高品質の炭化ケイ素(SiC)ウエハーの量産技術開発の共同研究を始めたと発表した。SiCのインゴット(塊)を作る工程からウエハー化する工程までを低コスト化するため、材料や装置、プロセス技術を持つ企業が連携。革新的なウエハー製造技術の早期確立を目指す。

共同研究に向け、企業や大学など60以上の機関が集まりSiCパワー半導体の量産技術確立を目指す共同研究組織「TPEC」内に材料分科会を新設した。参画企業は茨城県つくば市にある産総研や自社の設備などを利用し技術開発を進める。

同分科会では二つのテーマでプロジェクトを進める。「次世代SiC結晶成長技術開発プロジェクト」は、高品質なSiC単結晶を高速で成長させる技術を確立する。「次世代ウエハー加工技術開発プロジェクト」では、ウエハーの加工工程の高速化とダイヤモンド砥材の省消費化を実現する新しい加工技術の確立を目指す。

パワー半導体は大きな電力を制御する発電・送電システムや、産業用ロボットなどの工場自動化(FA)機器、自動車や鉄道などの輸送機器、コンピューターなどの情報通信機器や家電製品など幅広く使われている。

現在は一般的なシリコン製のパワー半導体が主流だが、今後はエネルギー損失が少ないSiC製のパワー半導体の普及が期待されている。だがSiCは硬く安定な材料であるため、単結晶の成長やウエハーの加工に時間とコストがかかるという課題があった。

日刊工業新聞2020年3月10日

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