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工事も月額費用も不要のホームセキュリティ

文=尼口友厚(ネットコンシェルジェ CEO)「Butterfleye」はコミュニケーションにも使えるIoT

「受動的でない」ホームセキュリティカメラ


 Butterfleyeは初版6000台をすでに売り切り、現在はプレオーダーのみを受け付けているところで、価格は220ドル(約2万6000円)だ。1つ予約すると50ドル(約6000円)の割引、2つなら150ドル(1万8000円)、3つオーダーすれば243ドル(約2万9000円)の割引をプレオーダー特典として受けられる。

 同製品の1つ目の特長は、設置やセットアップの準備が非常に簡単なことにある。端末はWi-Fiでスマートフォンアプリと接続可能で、1回充電すれば2週間ほど持つバッテリを備えているため、普段はコード類を接続する必要がなく場所を問わず設置することができるし、セットアップは2分で完了するそうだ。

 2つ目の特長は、かなり高度な認識技術が用いられており、動いている対象が人間なのか、どの人物か、どういう行動パターンを持っているかまでも学習する点だ。たとえばペットを飼っている家で、そのペットが普段から家の周りをうろうろしているのであれば、それが普段の行動パターンだと認識するのだという。

 そして住人やペットの普段の行動パターンや、カーテンが風に吹かれている程度の動作については自動的に「不審ではない」と判断し、録画を行わない。これにより利用者も本当に必要なときだけ通知を受けられるし、録画にかかる電力が抑えられ、バッテリーを長く持たせることにもつながる。

 また、スマートフォンを通してリアルタイムのチェックや通話が可能であることも大きな機能だ。たとえば飼い犬がリビングのカーペットを引き裂こうとしているとカメラが作動し利用者のスマートフォンに通知するので、「カーペットを噛むのをやめさない」と叱ることもできる。

 なおデフォルトの設定では、利用者のスマートフォンが敷地内にあればButterfleyeは利用者が家にいると認識して撮影を行わないが、設定も変更できるのこと。また複数台のスマートフォンと接続することも可能で、ただセキュリティチェックに使うだけでなく、ペットやベビーモニターとしても使ったりライブチャットで家族と話す用途で使えるなど、実際に生活に役立つ機能が満載となっている。

 またネーダー氏にはButterfleyeの高い認識力を活用して、さらに役立つ製品に仕立てていくプランもあるという。
 「イメージ認識力が改良されるにつれて可能性は無限大になると思う。窓が開きっぱなし、あるいはコーヒーポットの電源が入ったままだったら知らせる、というふうにね」(ネーダー氏)

 その他にもサーモスタットや電球などと連動し、帰宅前に先んじて電気をつけたりできるようにするプランもある。現在のところは「簡単に使用できる監視カメラ」程度だが、これははじまりにすぎず、スマートハウスの中核を担うような製品に育てていくことを目指しているとのことだ。
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
まずはハードの販売で売り上げを立てるのだろうが、いずれサービス化へマネタイズをふるのだろうか。日本の家電メーカーもこの手のスマートハウス機器は多くだしているが、いかんせんいろいろ家中とか「つなげよう」とし過ぎている。シンプルな発想が突破口になった一例。

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