「バイタリティーに富み、柔軟でチャレンジング」。デンカの新社長、今井取締役はどんな人?
デンカは今井俊夫取締役専務執行役員(62、写真左)が4月1日付で社長に昇格する人事を内定した。山本学社長(64、同右)は代表権のある会長に就く。オンライン会見で山本社長は「未曽有の環境変化に対応するため、変革のスピードを上げる必要がある」と交代理由を説明した。
同社は2023年3月期まで5カ年の経営計画を実行中だ。今井次期社長は「計画の成果と課題を整理し、目標を再設定する。環境経営を推進し、社員が成長を実感できる会社を目指す」と述べた。高付加価値製品の増加や、収益性向上といった課題に取り組む。
【略歴】今井俊夫氏 82年(昭57)早大政経卒、同年電気化学工業(現デンカ)入社。13年執行役員、19年取締役。神奈川県出身。
素顔/デンカ社長に就任する今井俊夫(いまい・としお)氏 変革に強い意志で挑む
クロロプレンゴム事業など主力事業に長く携わり、国際経験が豊富。山本学社長は「極めてバイタリティーに富み、柔軟でチャレンジングな意志決定ができる人」と評価する。
吉高紳介前社長(現会長)、山本社長のもとで経営企画を担当し、「社長とは大変な仕事だ」と痛感していたという。2020年10月ごろに山本社長から次期社長就任を打診された時は「恐ろしいと思った」が、「人生最大のチャレンジ」と考えて受諾した。「変革を行うという強い意志を持って臨みたい」と強調する。
印象深い経験に、入社から約10年後のシリコンバレー赴任を挙げる。「パイオニア精神を肌身で感じられたことは素晴らしかった」と振り返る。趣味は読書と絵画鑑賞。「時間の使い方にこだわっている。専門家が時間をかけて書いた本が数千円で手に入るのは、コストパフォーマンスが高い」と分析する。(江上佑美子)
日刊工業新聞2020年2月8日