トヨタがアフリカ市場攻略へ、スズキから小型車3車種をOEM調達
トヨタ自動車は、スズキがOEM(相手先ブランド)で供給する小型車3車種を2021年中にもアフリカ市場に投入する。アフリカでの販売業務を担う豊田通商では、25年までにアフリカ全54カ国へ認定中古車の販売網を整備するほか、オンライン商談など販売体制を強化。当面の目標であるアフリカでのトヨタ車の年間販売台数30万台の達成に向けて体制を整える。
スズキからのOEM車拡充は、トヨタとスズキの協業の一環。すでに第1弾として20年9月に1車種を投入しているが、新たにスズキがインドで生産するスポーツ多目的車(SUV)「ビターラブレッツァ」、セダン「シアズ」、ミニバン「エルティガ」をトヨタにOEM供給し、アフリカで21年中にも順次販売する計画だ。
第1弾の小型車「スターレット」(スズキの「バレーノ」)は価格や商品性などが評価され、販売は好調だという。トヨタはアフリカではスポーツ多目的車(SUV)「ランドクルーザー」などの大型車で強みがあるが、小型車はシェアが低いのが課題だった。小型車を得意とするスズキの車種を拡充して、アフリカでの小型車のシェア拡大も狙う。
販売では会員制交流サイト(SNS)の活用や南アフリカなどではオンライン商談を積極化する。下取りした車を整備し、品質保証をして販売する認定中古車の販売も強化。中古車専業店「オートマーク」として21年3月で20カ国を見込み25年にはアフリカ全54カ国への展開を目指す。将来的な新車販売の底上げにもつなげる。
20年のアフリカでのトヨタ車の販売台数はコロナ禍の影響もあり、前年比19・1%減の16万5044台。一方でアフリカ市場は中長期的に拡大を予測し、生産や流通などを含めてビジネス強化に取り組む。豊田通商では19年1月にトヨタからアフリカでの営業業務を全面移管された。