AIでコロナ重症化を予測、東京医歯大×富士通で医療現場の支援に向けて研究
東京医科歯科大学と富士通は2日、コロナ禍における医療現場の負担軽減に向けて、新型コロナウイルスによる肺炎判定や重症化を予測する人工知能(AI)、それに伴う看護師の業務量を予測するAI技術の共同研究を始めると発表した。9月30日まで各AIを組み合わせ実証実験を行い、医師の診療から病床管理まで幅広く医療現場を支援するシステムの有用性を検証する。共同研究を踏まえ、富士通は2022年3月末までにソリューション提供を目指す。
研究では、胸部X線写真を用いた新型コロナウイルス肺炎罹患(りかん)状況を判定するAIや、血液検査や病歴などの診療情報に基づき重症化を予測するAI、重症化予測データを基に新型コロナウイルス肺炎患者の治療に伴う看護師の業務量を数値化するAIを活用する。
重症化予測AIは新型コロナ関連論文から、重症化した患者の情報をAIに学習させ、患者の肺炎の病状変化を予測。肺炎の入院患者一人ひとりの病状変化予測に応じた治療の優先順位決定などを支援する。看護業務量予測AIは看護師の業務を、専門性や業務負担などに合わせて数値化する。これをAIが事前に学習し、重症化予測AIと連携することで、看護師の業務量増減の可能性を検証する。
日刊工業新聞2021年2月3日