DXを急ぐ工作機械大手のオークマ、組織最適化へプロジェクトチーム
設計・営業も効率化
オークマはデジタル変革(DX)に最適な会社組織や仕事の仕方、人材の要件などを検討するプロジェクトチームを立ち上げた。2023年度(24年3月期)以降の本格改革に向け、課長級以上で定期的に全体最適を議論する。同社は工作機械を軸に最新デジタル技術を活用した高度なモノづくりの手法を蓄積し、顧客に提案している。同プロジェクトで自社の業務効率を高め、将来は顧客への課題解決提案にも生かす。
取りまとめ役となる情報システム部は30人程度に増員した。同部が営業や設計、生産、管理などの各部門と連携して課題を抽出し、デジタル技術による改革法を検討。定期的な全体会議で調整する。
情報管理システムの高度化も計画する。工場のスマート化などで協力関係にある日立製作所の統合業務パッケージ(ERP)や、PTCジャパン(東京都新宿区)のCAD/CAM(コンピューター利用設計・製造)システムを基盤とする。両社とはすでにモノづくりノウハウのデジタルデータを安全に効率的に収集・管理する新システムの構築も始めた。
オークマはこの生産系のシステムを核に、各部署で扱う諸データを一元化し、製品別、顧客別の利益管理を可能にする。各業務の改善活動も課題と成果を数値で評価できるようにして取り組みの効果を高める。
工作機械各社は機械本体のコストや性能の競争に加え、自動化対応や運用支援で差別化を進めている。オークマは、これら諸技術を全体で最適に制御するオペレーショナルテクノロジー(OT)が今後の受注競争での優劣を決めると判断。自社でモデルシステムを構築し将来のユーザー支援に生かす。
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日刊工業新聞2020年1月22日