京セラ、21年度の設備投資額が過去最大の1500億円に!半導体・電子部品の活況で
【京都】京セラは、活況な半導体や電子部品の需要に対応するため、2021年度の設備投資額が過去最大の1500億円規模になる見込みだ。約1000億円を予定する20年度の投資額も上ぶれで着地する見込み。第5世代通信(5G)関連向けなどでセラミックパッケージや有機パッケージなどの需要が急拡大しており、ベトナム、鹿児島、京都の各工場での増産を決めた。これらをけん引役に、23年度に2兆円(20年度予想1兆5000億円)の連結売上高を目指す。
投資を決めたのは、セラミックパッケージを生産する鹿児島川内工場(鹿児島県薩摩川内市)とベトナム工場(フンイエン省)、有機パッケージを生産する京都綾部工場(京都府綾部市)。3工場いずれも既存工場内に増産ラインを新設する。さらにベトナム工場は来期以降、建屋新設の検討に入る。
谷本秀夫社長は「データセンターに関わるセラミック・有機パッケージの引き合いがものすごい」と強調。新型コロナウイルス感染拡大により設備投資を抑えていたが、半導体業界の旺盛な需要を受け今夏から急きょ投資を決定。今年度の投資額も当初予想比2―3割増になる見込み。
5G対応スマートフォン向け電子部品の需要も旺盛という。スマホ1台に搭載する部品点数が増加、時期を逃さず投資し、急拡大する需要を取り込む。
京セラは過去に、20年度に連結売上高2兆円の目標を掲げていたが、19年以降の米中貿易摩擦などの影響で計画未達だった。
5G関連や、ローカル5Gを活用したソリューションビジネスなどで、23年度に連結売上高2兆円達成に再挑戦する。
日刊工業新聞2020年12月28日