伊藤忠が「マルチテナント型物流」で大攻勢、大阪に100億円投資へ
伊藤忠商事は、大阪府内で物流施設の開発を進める。伊藤忠都市開発(東京都港区)、山陽電気鉄道(神戸市長田区)と共同で、大阪府箕面市に複数企業対応(マルチテナント)型物流施設「アイミッションズパーク箕面(仮称)」を新設する。電子商取引(EC)利用の急拡大などで、大阪内陸地域の物流施設は高い稼働率を維持しており、新たな施設を開発して需要を取り込む。投資額は非公表だが、100億円程度とみられる。2021年12月に着工し、23年2月の完成を目指す。
施設は新名神高速道路「箕面とどろみIC」から約1・5キロメートルの場所に建設する。同高速道路は、23年度に全線開通の予定で、一層の利便性の向上が期待できるとみられている。
物流施設は大阪府が実施している「北部大阪都市計画事業 水と緑の健康都市特定土地区画整理事業」エリアの一角に建設する。敷地面積は約2万166平方メートル、延べ床面積は約4万1520平方メートル。鉄骨づくり、地上4階建てで、スロープ型の物流施設を建設する。最大で4テナントまで利用できる。
伊藤忠商事と伊藤忠都市開発は現在、サンケイビルと共同で、箕面市内に「箕面森町物流施設(仮称)」の開発も進めている。こちらは21年6月の完成を見込んでいる。伊藤忠グループの近畿圏内におけるマルチテナント型物流施設は、今回新設する施設が3件目で、現時点では近畿圏内唯一の「アイミッションズパーク」ブランドの施設となる予定。
伊藤忠商事は、00年代半ばから本格的に物流施設の開発に取り組んでいる。18年以降の物流施設の新規開発では、東京都や埼玉県、千葉県など関東地域が中心だった。
今回の施設の新設で物流施設のプロジェクト数は33件となり、総延べ床面積は約145万平方メートルになる見通しだ。
日刊工業新聞2020年12月24日