目指すは日本最大の“工具箱”、トラスコ中山が物流倉庫で大攻勢
仙台の拠点に70億円投資
トラスコ中山は、東日本地域向けの物流施設「プラネット東北」(仙台市宮城野区)の在庫保有能力を従来比約4・6倍に引き上げた。約72億円を投じて倉庫などを増設し、このほど稼働を開始した。ノルウェー製の自動倉庫型ピッキングシステム「オートストア」など最新の物流機器も導入し、倉庫内の自動化や省人化、効率化を推進する。
今回、工具や建築資材、安全用品などを在庫する倉庫を新設。ブルーシートや発電機など災害復旧支援物資を保管する災害備蓄倉庫と、従業員向けの立体駐車場も設けた。これにより、施設全体の延べ床面積は従来比2・7倍の2万8350平方メートルに拡大。在庫保有能力は同約4・6倍の50万アイテム、出荷能力も同約5・6倍となり、1日当たり最大2万9000件の出荷に対応可能となった。
倉庫内には、高密度に収納したコンテナの出し入れをロボットが行うオートストアの専用コンテナを4万7000個保有するほか、梱包・納品書封入の自動化システムやバケット自動倉庫なども導入。また7月には自動棚搬送ロボット「バトラー」の稼働も予定する。
トラスコ中山は、全国の物流施設の在庫能力増強を進めており、埼玉県や愛知県、大阪府など主要施設の在庫保有能力を2023年末までに50万アイテムへ増やす計画だ。
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日刊工業新聞2020年6月22日