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週半分以上の在宅勤務も可能!大日本印刷が人事制度刷新へ

来年度、人事制度を刷新

大日本印刷は、2021年度に実施する人事制度改革の内容を固めた。テレワークやダイバーシティー(多様性)に関連した制度の拡充で足元の社会変化に対応。同時に、職務上の役割で報酬が決まる「ジョブ型」処遇の採用を視野に入れた複線型人事制度の導入など、将来像を意識した制度も導入する。新制度は21年4月から順次運用する。

【3回目の改定】

中長期的な成長に向けて19年度から人事制度を改定しており、21年度で3回目の改定となる。テレワークは規定の改定により、本部内での合意が得られた場合、週の半分以上の在宅勤務が可能になる。その場合は通勤費を実費支給に変更して、月額3000円の在宅勤務手当を支給する。在宅勤務が難しい製造部門では、賃金改定時の昇給で調整する予定。

現在は新型コロナウイルス感染拡大を機に利用が広がっているが、21年度からの改定を機にテレワークの定着につなげる。

目標管理制度もテレワークの拡大に併せて変更する。現在の仕組みに「OKR(目標と主要な結果)」の要素を加えて、テレワークの課題である成果や作業内容の見える化、チーム意識の醸成を図る。

【風土を変える】

新たな目標設定・評価の方法は、印刷各社の課題である事業構造の変化を支える組織風土の変革にもつながる。大日印は、すでに考え方や手法に関する経営層・管理職向けセミナーを進めている。

このほか、複数のキャリアコースがある複線型人事制度を課長職などの中間幹部層を対象に導入。併せて専門職制度に任期1年の「主幹研究員・主幹技術員・主幹企画員」を新設する。現行の制度ではフェローや主席研究員などを設けているが、全社で20人程度と少ない。専門職のキャリアパスを明確にしつつ、社内での切磋琢磨(せっさたくま)も促す。

多様な人材の活躍に向けてダイバーシティー関連制度も拡充する。祝い金をはじめ配偶者に関する制度の多くは、事実婚や同性パートナーがいる従業員も利用可能になる。ほかにも不妊・不育治療やがん治療を目的とした通院、スキルアップのための進学・通学などへの支援制度も整える。

【社内で「複業」】

その他にも、主業務とは異なる社内の業務に週の就業時間の20%を割くことができる「社内複業制度」や、海外の現地法人で管理職に就く従業員へのマネジメント手当の導入を予定している。

日刊工業新聞2020年12月16日

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