ニュースイッチ

印紙税納税業務の65%を削減! 野原HDがRPA本格導入

印紙税納税業務の65%を削減! 野原HDがRPA本格導入

財務部では印紙税納税業務にRPAを活用(野原HD提供)

野原ホールディングス(HD、東京都新宿区、野原弘輔社長、03・3357・2231)は2018年12月、財務部の印紙税納税業務にRPA(ソフトウエアロボットによる業務自動化)を導入した。従来、人手で行っていた入力作業をRPAで代替する。さらに国税の電子申告・納税システム(イータックス)に切り替えたことで「肌感覚で印紙税納税業務の65%を削減できた」(財務部の帖佐麻美氏)と喜ぶ。

具体的には自社の会計システムから200円の印紙税を何枚、400円の印紙税を何枚使ったかなどを財務部が把握してエクセルの一覧表を作成。この表をRPAが照合し、イータックスの申請書にコピー&ペーストで自動入力する。かつては財務部で表を作成後、野原HD傘下の各事業会社ごとに表を確認し手書きで税務署への申請書を作成していた。そのため誤入力する恐れがあったが、RPAへの置き換えで「入力ミスはなくなった」(帖佐氏)と胸を張る。

20年3月までに8社の事業会社の印紙税納税業務をカバー。これまでは毎月、財務部が紙の申請書を税務署に出向いて申請していたが、RPAとイータックス申請で足を運ぶ手間が省けた。帖佐氏は「コロナ禍で移動を伴わないことは大変助かる」と話す。

最近は自宅に持ち帰るパソコンにセキュリティー対策とRPAの遠隔操作が可能な設定を施し、「出社せず、在宅勤務で大半の仕事ができるようになった」(同)と働き方改革にもつながっている。

単純作業が得意なRPAのこつをつかみ、「あれもRPAでできるかもとアイデアが湧いたらさっと自分でプログラムを作る」(同)こともある。例えば印紙税の「納税後」に会計システムへ納税したことを記録する仕分け業務も単純な数字の切り貼りになるため、RPAに置き換えた。

今後は人手で行っている会計システムからエクセルの表を作る集計業務までRPAに代替できないか模索していく。(大城麻木乃)

日刊工業新聞2020年12月15日

編集部のおすすめ