宝HD提案の“乳和食”、その式は牛乳+調味料=減塩?
宝ホールディングス(HD)は本みりんや料理清酒拡販の一環で、和食作りに成分無調整牛乳を取り入れる調理法「乳和食」の提案を始めた。みそやしょうゆなどの調味料に牛乳を組み合わせると減塩でき、牛乳の栄養素も取れる。乳和食の普及で健康志向の強い消費者の需要を取り込む。
宝HDは自社調味料を用い、乳和食開発者で管理栄養士の小山浩子氏監修の乳和食レシピを完成した。牛乳を使わずに作った場合に比べ、塩分を55%カットできる「さばの味噌みりん煮」など3品。牛乳に含まれるコクやうまみ成分が、塩分に頼らず料理をおいしくできる。今後、会員制交流サイト(SNS)での発信や小売店での販促などにより普及を促す。
新型コロナウイルス感染症の拡大で宝HDは業務用調味料の販売が落ち込むが、家庭用調味料の売り上げは巣ごもり需要により増えた。
一方、新型コロナによる給食の停止で酪農業界では牛乳の需要減少が課題となった。乳和食の普及は健康志向の強い消費者を取り込みつつ、酪農業への支援にもつながる。担当者は「レシピを充実させ、乳和食の普及に努めたい」としている。