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豆腐屋にも…拡大続けるロボット市場―ファナックの今3月期見通し、上方修正

ロボなどがけん引で経常益2363億円
豆腐屋にも…拡大続けるロボット市場―ファナックの今3月期見通し、上方修正

相模屋食料の封入工程。無数の木綿豆腐に容器をかぶせていく。稼動するのはファナックの5軸多関節ロボ。

 ファナックは27日、2016年3月期の連結業績予想を売上高、各利益段階とも引き上げると発表した。売上高が7月公表時から26億円増の6309億円、経常利益は同32億円増の2363億円、当期利益は同30億円増1625億円に修正した。

 今期、業績修正は7月に続き2度目。アジア向けのコンピューター数値制御(CNC)装置、小型工作機械などは苦戦が続くものの、ロボットなど他領域での好調を受け再度予測値を見直した。

 ロボットは主力市場の米国向けを中心に堅調で下期も増収基調が続く見込み。中国、欧州でも好調を維持している。上方修正については「(受注状況から)7月時点より正確な見通しができるようになった」(広報部)としている。

 アジアでスマートフォン製造に使われる小型工作機械、CNCは大口受注が一段落し低調。CNCは中国での自動車関連の減産も影響しているが、下期以降の減少幅は想定の範囲内に収まる見通し。

 同日発表した15年4―9月期決算は売上高が前年同期比2・1%増の3499億円だった。中国向けの受注減が響き、小型工作機械を手がけるロボマシン部門は売上高が前年同期比3・6%減の1196億円だった。


相模屋食料、豆腐製造にロボ導入で売上高4倍超―味へのこだわりが原点


2015年10月14日 ロボット面


 人手ならではの作業が多いため、ロボットが普及しきっていない食品製造業。だが、中には汎用のロボットを用い経営革新を成し遂げた企業も存在する。市販向けの豆腐製品を手がける相模屋食料(前橋市)は、その代表格だ。2005年に稼働開始した第三工場(同)で初めてロボットを採用。常識を覆す製造法を確立し、導入当初と比べ売上高を4倍以上に拡大させた。ロボット採用の裏にあったのは、味に対する徹底的なこだわりだ。

白いロボットが活躍


日刊工業新聞2015年10月28日 総合1面
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
拡大を順調に続けるロボット市場。米国、中国、欧州など海外市場がけん引する中、日本でもまだまだロボット導入で効果の出る現場がたくさんありそうです。

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