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キヤノンが在宅勤務を制度化、現在2000人の対象者をどこまで広げられるか

キヤノンは社員の在宅勤務を制度化した。10月下旬から研究・開発部門で、在宅勤務が生産性の向上につながると判断した業務を対象に適用。現在約2000人が制度を活用している。少なくとも年内は本格運用に向けたトライアル期間としており、効果の検証や課題の洗い出しに努める。

在宅勤務の活用に向けた検討は以前からあったという。新型コロナウイルス感染拡大による4―5月の部分休業中に、急きょ約8000人を対象に在宅勤務を実施。その後の調査で、業務内容や期間によっては在宅勤務でも生産効率が落ちない結果が出たことから、本格的に制度や環境の整備を進めた。

業務内容を基に制度の適用者を選定している。在宅勤務の開始に伴う支援は特になく、制度活用の提案を受けた従業員は活用するか否かを選択できる。

非対面の業務や管理ツールの活用に親和性が高い点を踏まえ、まず研究・開発部門に適用した。ハード開発に携わる従業員の場合、特許の執筆や解析、設計の構想のような集中力を求められる業務で在宅勤務が効果的と見ている。成果を踏まえて制度の対象者や部門を徐々に増やしていく方針だが部分休業中のように大規模に展開する想定はしていない。

通信環境やサポート体制は、これまでに挙がった意見を踏まえて強化。セキュリティーはすでに社内と同等の水準に整えたが、2021年早々にはサイバー攻撃対策をさらに強化するとしている。

厚生労働省が三菱UFJリサーチ&コンサルティングに委託してまとめたテレワーク実態調査によると、7月時点でテレワークを会社の制度として認めている企業は調査対象となった2万社の14・3%。従業員数1000人以上の企業は42・9%に達した一方、99人以下の企業は6・1%にとどまっている。

日刊工業新聞2020年11月30日

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