世界初のワイヤ回転機構を搭載、ソディックが放電加工機が開発
ソディックは、世界初のワイヤ回転機構を搭載したワイヤ放電加工機「AL iグルーブエディション」を開発した。ワイヤを回転しながら送ることで、加工対象物(ワーク)の上から下までを未消耗のワイヤで加工可能。高精度な加工寸法の安定化や加工の高速化、省資源化につなげられる。精密プレス金型向けに売り込む。
リニアモーター駆動式ワイヤ放電加工機「ALシリーズ」の新機種として、2021年4月に発売する。加工サイズや機能別により8タイプをそろえ、価格は従来機種から据え置きで1450万円(消費税抜き)から。
一般的なワイヤ送り方法では、ワークの下面側に消耗したワイヤが供給され、面質の低下やワイヤが細くなることによる加工面への傾斜が発生する。そのため、ワイヤを傾斜させて加工面を垂直に補正しているが、直線と円弧が絡み合う複雑形状になると加工精度に誤差が生じ、さまざまな形状修正のための制御が必要だった。
新機種はワイヤ回転機構により、加工物の上面から下面まで常に無消耗のワイヤ面で加工するため、ワイヤを傾斜させる補正が不要。ワイヤ消耗による面質悪化がなく、ワーク上面から下面まで均一で良質な面が得られる。
また、仕上げ領域でのワイヤ消費量を従来比3割削減できるほか、無消耗面での加工により除去効率が高まることで加工時間も同約1割短縮が図れる。