世界最高水準を掲げる「指定国立大」に筑波大・東京医歯大を追加、残るは1席?
文部科学省は15日、2022年度からの国立大学第4期中期目標期間の指定国立大学法人として筑波大学、東京医科歯科大学を指定した。筑波大は企業の研究部門を一体化した「ビジネス・ツー・アカデミア研究所」や、全教員1600人で学生1600人をみる“全学個別指導”の構想が評価された。九州大学の応募は指定されなかった。
指定国立大学法人制度は、世界最高水準の教育・研究などを目標とする国立大法人を文部科学相が指定する。これまで東京大学、京都大学、東北大学など7法人が指定されている。第3期の指定と合わせ9法人が当面、世界最高水準を掲げるトップグループとなる。
筑波大は目標数値として査読付き論文数を1・5倍の5000報、トップ1%論文数を2・5倍の180報、外国人学生比率を30%、大学発ベンチャー累計数を3倍の500件―などとした。
これに向けた研究力強化策として研究センターを流動的・重点的に支援し、若手教員比率を30%にする。財務基盤強化は、産学連携の国際展開により共同研究費受入額を62億円、基金累計を70億円に増やすとした。
東京医科歯科大は世界屈指の研究力に向けて、医学・歯学融合や医歯情報科学の拠点を構築し、「統合研究評価会議」を動かす。教育も「クリニシャンサイエンティスト」「メディカル・データ・サイエンティスト」の育成を掲げる。
その結果の世界大学ランキング目標を医学は50位、歯学は1位とした。また産学連携組織は「統合イノベーション機構」に再編し、寄付金や基金の増加を図る。
日刊工業新聞2020年10月16日