中国はダメ!欧州製の警備用ドローンが注目されるワケ
長時間飛行やAI搭載で不審船発見
日本海洋(東京都足立区)は、欧州製の警備用飛行ロボット(ドローン)を拡販する。オーストリア製で6時間飛べるヘリコプター型ドローンや、スロベニア製で90分飛行できる無尾翼固定翼ドローンを相次いで発売した。国家安全保障の観点から政府機関は中国製ドローンを事実上、排除している。セキュリティー需要を追い風に2、3年でそれぞれ数十機の販売を狙う。
オーストリア製ドローンは北大西洋条約機構(NATO)軍ですでに350機程度、利用実績がある機種。50馬力のロータリーエンジンで飛行し、運搬能力は50キログラム。人工知能(AI)による自動目標探知システムを搭載する。不審船や不審物を見つけると、2台のカメラのうち1台が目標をロックしてユーザーのパソコン画面に地図上で示し、もう1台のカメラでズーム映像が見られる。消費税抜きの価格は、ブレを軽減できるジンバルカメラやレーダーの性能によるが4億円程度。
スロベニア製ドローンは翼幅1・55メートル、離陸重量2・4キログラムと小型で、静音のため見つけにくく、高度は5000メートルとプロペラ機並みの高さを飛べる。防水性能もあり防衛省や海上保安庁、警視庁のほか、税関からも深夜海上の密貿易監視用に引き合いがあるという。
ドローンはIoT(モノのインターネット)機器として目的地の位置情報や画像情報を収集できるため、日本や欧米は中国製ドローンの規制に動いている。国産ドローンも複数登場しているが滞空時間が短く、防衛用のドローンの性能は欧米製の方が優れているのが実情だ。
日刊工業新聞2020年10月9日